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ZEBRA(廃棄物ゼロ風力タービンブレード)コンソーシアムは、初のリサイクル可能なブレードのフルスケール検証テストの完了と 、2作目となるリサイクル可能な熱可塑性ブレードの製造に成功したことを発表しました。資源の効率的・循環的な利用を図るサーキュラーエコノミーの達成に向け、風力産業の取り組みを進めています。

スペイン(カステリョン)の LM Wind Power ブレード工場で製造された長さ 77 メートルのこのブレードは、リサイクル可能なアルケマの液体熱可塑性樹脂 Elium® とOwens Corningの高性能ガラス ファブリックを使用しました。 新しいCarbon-Elium®樹脂スパーキャップ技術と、接着剤ソリューションを専門とするアルケマの子会社Bostikの新しい接着剤の使用を特徴としています。

2作目の ZEBRA ブレードは、ブレードの構造上重要なコンポーネントであるせん断ウェブの製造にリサイクル Elium® 樹脂を使用している世界初の製品であり、持続可能なブレード設計を実現する樹脂技術の可能性とElium® 樹脂の循環性のシミュレーションを実証するものです。

「ZEBRAプロジェクトは予定通りに進んでおり、まもなく最終結果が得られる予定です。 最初のブレードでのテストキャンペーンが成功し、この 2 作目のブレードが完成したことはコンソーシアムと風力エネルギー業界全体の両方にとって大きな成果となります。 2024 年の次の主要なマイルストーンは、ZEBRA プロジェクトで製造されたブレードの完全なライフサイクル分析の実施、リサイクル活動へのフォーカス、および今回完成したCarbon-Elium®樹脂スパーキャップを含む 2作目のブレードの検証テストを完了することです。 」と IRT Jules Verneのプロジェクト リーダー Guillaume SANA 氏は述べています。

2022 年 3 月に最初のリサイクル可能なブレードを製造した後、ZEBRA コンソーシアムは、Carbon-Elium® 樹脂スパー設計のために、集中的な開発とテストを行っていました。 これには、必要な機械的特性を確実に達成できるようにするための材料およびプロセスの開発が含まれており、LM Wind Power の熟練した Castellon チームとの緊密な連携により、フルスケールでのコンポーネントの製造を確立するために必要なプロセスを開発することができました。

LM Wind Power 社のシニア ディレクターJohn Korsgaard 氏は次のように述べています。「1作目のブレードから得られた学びと貴重な知見に基づいて製造されたこの2 作目の ZEBRA ブレードは、カーボンブレードに Elium® 樹脂を使用する可能性を理解するのに役立ちました。 これは、ガラス繊維、炭素繊維を使用した Elium® ベース複合材料のリサイクル技術を実証するというLM Wind Powerのパートナー主導の取り組みを補完するものです。 このブレードは、ZEBRA プロジェクトの重要なマイルストーンとなり、当社とお客様の持続可能性への目標のサポートと、新技術開発における工場間の協力の重要性を明確にしてくれました。」

Owens Corning 社は次のように述べています。「このコンソーシアムに参加することは、私たちの掲げる
「デザインからの持続可能性」、つまり製品の設計段階から環境の持続可能性を考慮し、リサイクルや再利用できるようにすることへとつながっています。 最初に製造されたブレードに対して行われたテストでは、Owens Corning 社のガラス繊維製品と Elium® 樹脂の複合材が大型風力ブレードの性能と製造要件に合致することが実証されました。 今回の 2 作目のブレードは、さらに大型の風力ブレードであっても私たちの製品が性能とリサイクル性を維持できることを実証するものとなります。」

 

1作目のリサイクル可能な ZEBRA ブレードは、デンマークにある LM Wind Power社のテストおよび検証センターでの本格的な検証テストに成功し、現在リサイクル テストが進行中です。 2作目のブレードの本格的な構造寿命試験はすでに開始されており、ブレードが極度の負荷にさらされる静的試験は正常に完了しています。

2020年9月に発足したZEBRAプロジェクトは、フランスの研究センターIRT Jules Verneが主導するパートナーシップであり、Arkema、CANOE、ENGIE、LM Wind Power、Owens Corning、SUEZなどの企業が参加しています。このプロジェクトの目的は、熱可塑性風力タービンブレードの技術的、経済的、環境的関連性を、リサイクルを促進する環境に配慮されたデザインアプローチを用いて本格的に実証することです。

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