すべてのウェブサイト

2022年3月17日、ZEBRA (Zero wastE Blade ReseArch) コンソーシアムは、風力発電業界のサーキュラーエコノミーへの移行プロジェクトにおいて新たな一歩を踏み出したことを発表しました。アルケマのElium® 液体熱可塑性樹脂と新しい高性能グラスファイバーを使用し、初めての100%リサイクル可能な風力タービンブレードのプロトタイプ製造に成功しました。

2020年9月に開始されたZEBRA (Zero wastE Blade ReseArch) は、フランスにあるIRT (Technological Research Institute) ジュール・ヴェルヌの主導の下、リサイクルを容易にするためのエコデザインアプローチを採用した実物大の熱可塑性風力タービンブレードにおける技術的な実証に加え、経済的側面や環境への影響を検証するプロジェクトであり、賛同する主要な産業企業団体や技術研究所の連携を実現しています。
1年間に及ぶ材料開発とテストおよびプロセス試験の後、スペインのポンフェラーダにあるLM Wind Power社の風力ブレード製造所においてElium® 液体樹脂を用いた100%リサイクル可能で世界最大級の62メートルの熱可塑性ブレードの設計と製造が行われました。

Elium® 液体熱可塑性樹脂は、インフュージョン成形による大きな部品の製造に最適です。アルケマの熱可塑性樹脂で作られたコンポジット部材は、熱硬化性樹脂で作られたものと同じ性能を示し、さらに独自の利点であるリサイクル性も付与します。

Elium® が使われているコンポジット材は、リサイクル方法として優位なケミカルリサイクルが可能です。すなわち、樹脂を完全に解重合し、繊維と樹脂を分離することができるため、新しいバージン樹脂としての利用や回収した高性能ガラス繊維の再利用が可能となります。アルケマとCANOEによって開発されたこのリサイクル方法は、今回のプロトタイプブレード製造時に発生した廃棄物を含む、すべてのコンポジット部材でテストされています。
elium-prototype-zebra-wind-turbine-2.jpg

本プロジェクトの次のステップは下記のとおりです:

  • 風力タービンブレードの製造に使用されるコンポジットの性能と、将来の持続可能なブレード生産の実現可能性を検証するために、フルスケールでの構造寿命テストを実施します。

  • 今回のブレード製造時の廃棄物及びブレード解体後のリサイクルプロセスを検証します。2023年のプロジェクト終了まで、コンソーシアムはエコデザインの原則に従って、風力エネルギー事業を持続可能な方法でサーキュラーエコノミーに移行するという課題に取り組みます。

アルケマは自社が持つ高機能材料を通してこのコンソーシアムに参加し、風力発電業界における環境に優しく持続可能なソリューションの開発に貢献できることを嬉しく思います。

Top