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電気自動車の効率を高めるには?
電気自動車の効率を高めるには?

<p>近年は、リチウムイオン電池の技術が大幅に改善されている。アルケマは、自社のKynar<sup>®</sup> PVDFでこれに貢献しており、電池メーカーと協力してこれらの電池の航続距離、充電時間、およびライフサイクルをさらに最適化し続けている。また同社の技術者たちは、将来的な技術にも目を向けている。アルケマの三人の専門家、テクニカルポリマー用電池の開発責任者であるThomas Fine氏、フッ化物製品の研究開発ディレクターであるPhilippe Bonnet氏、および電池担当科学ディレクターであるDominique Plée氏に最新情報を聞いた。</p>

リチウムイオン電池の動作原理を説明してもらえますか?

近年はリチウムイオン電池が改善されていますが、アルケマはこの進歩にどのように貢献しましたか?

<p><strong>Thomas Fine&nbsp;</strong>– 当社のKynar<sup>®</sup> PVDFは、高い電圧と電解質溶媒に対して優れた耐久性を示すフッ素重合体で、次の二つの機能があるためリチウムイオン電池に広く用いられています。まずKynar<sup>®</sup> PVDFは、活性粒子を電流コレクタの表面に接着する一種の「バインダー」としてだけでなく、セパレータ・フィルムの表面を保護する膜としても用いられています。もしも電極にこの十分な耐久性を有するバインダーがなく、セパレータを効果的に保護することができなければ、イオンと電子が陽極と陰極の間で無秩序に流れてしまいます。そうなるとセパレータは、充電する際にも放電する際にも、ランダムな経路を流れるイオンと電子によって激しく消耗します。その結果、エネルギーが失われ、セパレータが損耗するため最終的に電池が損耗します。</p>
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<p>Kynar<sup>®</sup> PVDFを用いたリチウムイオン電池の場合は、充電する際と放電する際のイオンと電子の流れがより効率的になり、電池の性能が改善されます。またセパレータに関しては、PVDFの電気化学的耐久性が高いため、電池寿命を延ばすのに役立っています。当社は過去15年間にわたって等級を改善し続けてきましたが、これにより電池メーカーは電極の表面に必要な調剤の量を減らすことが可能になり、その量は8%から今日の1.5%まで徐々に減っています。またそれに比例してイオンと電子を引き込む活性粒子の量を増やすことによって、電池のエネルギー密度を高めることができました。</p>
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<p>特に中国では、アルケマ社が適切な等級を製造できる自社の常熟工場と共に電気自動車ブームに対応しており、いくつかのリチウムイオン電池メーカーがKynar<sup>®</sup> PVDFを使用しています。とりわけ当社は、2011年にCATL—世界最大の中国の電池メーカー—が設立されてからずっと同社と提携してきましたが、この協力によって電池向けの等級を改善し続けることができました。</p>

リチウムイオン電池の性能をさらに最適化するために、他にどのような方法を研究していますか?

<p><strong>Thomas Fine</strong>&nbsp;– 電池メーカーが研究開発で現在直面している課題には、電池の製造コストを下げることもありますが、何よりもまず航続距離を伸ばすこと(すなわち幹線道路上で400kmを超えること)、充電時間を短縮すること(当社の目標は15分で電池を80%充電すること)、および電池のライフサイクルを伸ばすこと(すなわち1,000時間の完全な充放電サイクルを上回ること)が重要です。現在のリチウムイオン電池技術でも充電時間を短縮することが可能ですが、それによって電池の寿命を縮めてしまうような変化が生じたり、不安定になって発火したりする可能性があります。このためメーカーは、電池の性能を高めると同時に完全に安定した材料を使用するための、適切な妥協点を見出さなければなりません。当社のKynar<sup>® </sup>は、高電圧に対する耐久性が優れているため、この妥協点を見出す際に重要な役割を果たしています。</p>

リチウム硫黄電池、全固体電池など、他にも電池技術がありますが、貴社もこれらの技術を研究しているのですか?

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