この10年にわたり職場の安全と環境フットプリントの削減において優れた成果と着実な進歩を遂げたことにより、アルケマはこの分野における最高クラスへの仲間入りを果たすことができ、こうした問題に関する長期目標をより高く設定することにいたしました。そこで、社員のたゆまぬ努力、技術的ノウハウ、対象を絞った投資方針を基に、CSRに関する2025年までの野心的枠組みをグループとして新たに定めました。
10年間で達成した主な改善点
2006年の株式上場以来、当グループは職場の安全と環境の分野において目覚ましい進歩を遂げてまいりました。
- 記録対象事故率(TRIR)の削減:損失時間の有無を問わず、100万労働時間あたりにおける事故率が2005年には3であったのに対し2015年には1.5に減少
- 2015年の温室効果ガス(GHG)の排出が2005年と比較して64%減少
- 2015年の揮発性有機化合物(VOC)の排出が2005年と比較して43%削減
新たな野心的目標
アルケマは、CSRの二大ベクトルである安全と環境において、これまで達成した進歩をさらに積極的に継続する取り組みを着実に進めてまいります。
そこで当グループは、2015年度に3つの目標を掲げ、安全に関する優れた実績を強固なものにすることをお約束いたします。
- 記録対象事故率(TRIR)の削減:損失時間の有無を問わず、事故を2未満へ
- ピア・オブザベーション・プログラムをすべての現場に拡大
- AIMS(2)統合管理システムに基づき各現場の100%監査を実施
(2) アルケマ統合管理システム
アルケマは、2025年までに下記の4つの目標*を達成するとともに、事業活動に関する環境フットプリントの持続的削減を継続することもお約束いたします。
- 温室効果ガス(GHG)の排出を50%削減
- 揮発性有機化合物(VOC)の排出を33%削減
- 化学的酸素要求量(COD)の排出を20%削減
- エネルギーの純購入量を2012年から2020年にかけて年平均5%、2020年から2025年にかけて年平均1%削減
(*) 2012年を基準値とした統合的指標
これら野心的目標を達成するための原動力は、投資・エネルギー効率化プログラム(エネルギー効率化は“Arkenergy”構想を通じて実施)、オぺレーショナル・エクセレンスの推進、社員のノウハウです。
CSRに不可欠なイノベーション
環境フットプリントの削減と安全面における更なる向上に加え、アルケマは6つの研究開発プラットフォームにおいて持続可能な開発を行うことにより、革新的な化学製品を開発しています。生物由来製品、新エネルギー、水管理、エレクトロニクスのソリューション、軽量機能性素材、建材の性能と絶縁性は、実際にグループのイノベーションにとって核心的部分を成しています。
たとえば、2015年には、輸送用素材の軽量化という課題に対応するために、化合物分野において革新的で画期的なソリューションを開発することにより、Elium®アクリル樹脂を開発するとともにPolystrand®を発売しました。フランスでは専ら持続可能な建設を対象とした世界初の実験住宅であるスマートハウスに着手しました。水管理においては、Polymem社との提携により生産ラインを建設し、最新世代のKynar®樹脂を使った飲料水処理ソリューションを実現しました。