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3Dプリンター「miniFactory」を使いKepstan®で作られた航空機のドア用ブラケット
3Dプリンター「miniFactory」を使いKepstan®で作られた航空機のドア用ブラケット

PEEKの強み

<p>PEEK (ポリエーテルエーテルケトン) は、パフォーマンスピラミッドのほぼ頂点に立つ超高性能ポリマーであります。PEEKとその系統製品 (PEKKを含むPAEK『ポリアリルエーテルケトン』)は、航空宇宙産業、自動車産業、および強度と高温耐性が要求されるその他の産業においてその極端に高い性能が知られています。PEEKはストックシェイプ押出し成形および射出成形に最適です。</p>

PEEKの使用は未だに困難

<p>PEEKはおそらく最も広く知られているPAEKです。これは、従来の加工方法の多くに適合させる極めて高速の結晶化キネティクスによる半結晶材料です。ほとんどの半結晶材料のように、これは結晶化するときに著しい寸法変化 (収縮) を起こします。従来の加工技術ではこの寸法変化は容易に説明され、広く理解されていますが、付加製造プロセスではこの収縮により結果として反りのある欠陥プリントが生じます。これらの急速に形成される結晶ドメインはさらなる鎖拡散および絡み合いに対してほぼ完全に耐性を示し、これは層間接着を劇的に減少させます。これらの困難を打開するために、多くの3Dプリンターメーカーは強硬措置を取って適切な部品の品質とプリントの信頼性を実現させています。これらのプロセス要件は、PEEKからプリントされた部品の外形寸法および実際の機械的特性を制限します。</p>

PEKKとは何か?

<p>アルケマは、各種PEKK (ポリエーテルケトンケトン) グレード、すなわち、PAEKの優れた特性を有し、はるかに広範でより柔軟な加工領域を有する<a href="https://www.extremematerials-arkema.com/jp/product-families/kepstan-pekk-polymer-range/" target="_blank">Kepstan<sup>®</sup> PEKK</a>を開発しました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>PEKKおよびPEEKは構造的に極めて類似するが、2つの重要な違いがあります:</p>
<ol>
<li>PEKKは、骨格において1つのエーテル基がケトン基に置き換わっています。このケトン基はエーテル結合よりも固い結合であり、材料のガラス転移温度 (ポリマーが最初に柔らかくなり始める温度) を上昇させます。</li>
<li>これらのケトン結合の一つはパラ位 (直線形) またはメタ位 (ねじれ形) のいずれかになります。</li>
</ol>

ポリマー骨格における直線形とねじれ形との比率を調節することで、溶融温度、結晶化度、および結晶化速度を正確に制御することが可能です。この調節によって、PEKKはPEEKなど多くの類似ポリマーでは困難または不可能であった方法での加工が可能です。つまり、PEKKであればFFFによるプリントがはるかに容易なのです。

<p>ユーザーのニーズに応じてPEKKの直線形とねじれ形の比率を調整できる柔軟性は、PEKKが多くの異なる目的に使用できることを意味し、さらに加工製品の信頼性を高めることができます。不良プリントおよび設定微調整の必要性がほとんどないので、ユーザーは製造時間とコストの両方を大幅に削減できるのです。</p>
<p>この柔軟性に加えて、PEKKにはユーザーにとってPEEKを超える多くの利点があります:</p>
<ul>
<li>より高いガラス転移温度(Tg)のため、高温での強度が良好</li>
<li>圧縮強度が高い</li>
<li>バリア性能が向上</li>
<li>より良好な摩耗および摩擦特性</li>
</ul>
<p>&nbsp;</p>
<p>Kepstan<sup>® </sup>PEKKポリマーはさらに分子量制御あるいは、グラスファイバー、カーボンファイバー、またはカーボンナノチューブなど、慎重に選択した添加剤を加えることで、特定のニーズに適合するように調節することができます。これは、軽量で強力、かつ、最もアグレッシブな化学物質を除く全てに耐性を示し、重量を減らすために極めて要求の厳しい環境において金属部品と交換することができます。PEKK1はその特有の特性によってFFFプロセスまたはLSプロセスに理想的な高性能ポリマーとなります。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>これらの利点はPEKKが極めて要求の厳しい工業用途で使用する3Dプリント部品に使用できることを意味しますが、一方PEEKに関しては、これらの製造は従来の方法に制限されています。PEKKはその強度および耐性はエンジンなどの高温および高圧環境で有効で、低ガス放出性により人工衛星および潜水艦で使用することができます。例えば、3Dプリントによる乗組員輸送用の商用宇宙船のいくつかの部品にすでに使用されています。</p>

未来に目を向けて

<p>PEKKは他のPAEKポリマーよりも製造柔軟性が高くなります。これは、要求がより厳しい多くの工業用途における3DプリントPEKKの可能性が極めて大きいことを意味します。3Dプリンティングの分野は単純なプロトタイピングから工業用途へと急速に移行していくことから、PEKKは無数の新たな製造可能性を開くでしょう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>PEKKの応用特有の使用を加速するために、アルケマは3Dプリンター開発者miniFactory社およびフィラメントメーカーKimya社と提携しました。共同で、信頼性のあるサプライチェーンを構築し、最も要求が厳しい用途の部品を作成するためにPEKKフィラメントを使用するプロセスを制御しています。PEKKは、「Z」方向をはじめとして、FFFにより加工することが可能な最も強力かつ最も固いポリマーです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>要約すると、極めて要求が厳しい環境での使用を目的とした部品を作成するための材料を選ぶ場合、高性能ポリマーの中での選択は明らかです。すなわち、まずPEKKは付加製造で加工できるあらゆる材料の中でも、最良の物理的特性および機械的特性を持っています。次に、さらに重要なことに、PEKKによってユーザーは自身のインフラおよび最終目的に最適な製造方法を選択できるようになります。</p>

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