アルケマは、インドのトウゴマ栽培農家コミュニティを支援するための協働の取り組みとして、トウゴマ栽培農家支援基金（CFEF）の創設を発表しました。
この基金は、農家への農業指導やトレーニングを通じて、革新的かつ強靭な栽培技術の導入をさらに加速させることを目的としています。これにより、地域全体に持続可能な環境的・社会的恩恵をもたらすことを目指しています。
この基金は、トウゴマを栽培する地域において、農家の生活の質の向上、リジェネラティブ農業（環境再生型農業）の推進、そして長期的な環境保全に対する意識の醸成を支援するものです。この基金への参加は、トウゴマのバリューチェーンに関わるすべてのステークホルダー、顧客、ブランドやパートナーに開かれており、協働で有意義な取り組みを実現する貴重な機会を提供します。この基金は、農家向けの支援プログラムをさらに拡大し、2030年までに10万人から15万人の農家に教育・研修を届けることを目指しています。
この基金は、トウゴマのバリューチェーンにおいて重要な役割を果たしている人々や地域社会に対する、私たちの強い支援の意思を示すものです。この取り組みは、アルケマのCSR方針と一致しており、またインクルージョン、多様性、教育を重視する当社の世界的なスポンサーシップ戦略の精神をも反映しています。この活動を通じて、ひまし油産業全体の持続可能性を大いに強化することができると確信しています。
この基金は、地域に根ざした信頼できる有力な協力団体の知見を活かして運営されます。
アルケマは、基金の中心的な支援者として継続的に関与し、活動全体を通じて積極的な役割を果たしていきます。基金の戦略的な方向性は、専任の運営委員会が主導し、パートナーであるTTファウンデーション・アドバイザーズ（TTFA）およびソリダリダードは効果的なプロジェクトの選定と実行を担います。
TTFAは、基金の運営管理を担い、透明性と成果を確保するとともに、助言、支援者との関係構築、資金管理などの役割も果たします。TTFAは、シンガポールに本拠を置く世界的な投資会社テマセクの社会貢献部門であるテマセク・トラストの支援機関であり、慈善団体や企業、個人支援者などに対して専門的な助言と運営支援を提供しています。
ソリダリダードは、この基金の一時受領団体として、農家への研修の実施、進捗状況の確認、そして新たな支援プロジェクトの発掘を統括します。これにより、すべての取り組みが一貫性を持ち、質の高い内容で実施されるよう管理されます。ソリダリダードは、国際的な市民団体であり、栽培コミュニティの人々の自然災害や経済的に対する強靭性の向上を55年以上にわたり支援してきた実績があります。また、アルケマと共に長年にわたり持続可能なトウゴマバリューチェーンの構築に取り組んできた信頼あるパートナーです。
「持続可能な農業の考え方を取り入れることで、小規模農家が収入を増やせるだけでなく、土壌の健全性や生物多様性の保全にもつながります。アルケマとの協力により、この取り組みをトウゴマ栽培地域全体に広げ、農家の長期的な安定につなげていきたいと考えています。」
ソリダリダード・アジア マネージング・ディレクター シャタドル・チャトパディアイ氏
「このトウゴマ栽培農家支援基金は、栽培コミュニティの人々の力を引き出し、持続可能な農業の実践を強化するという共通の思いを体現しています。アルケマおよびソリダリダードと協力し、すべてのステークホルダーが連携し、トウゴマバリューチェーン全体により良い成果をもたらすための場を、透明性が高くかつ信頼できる形で提供できることを光栄に思います。」
TTファウンデーション・アドバイザーズ代表 ディクソン・リム氏
アルケマのトウゴマ栽培地域における長年の取り組み
アルケマは、2016年から続く「プラガティ・プログラム」などを通じて、地域のトウゴマ栽培農家を継続的に支援してきました。このプログラムでは、これまでに1万人以上の農家が研修を受け、対象地域では平均して収穫量が57％増加し、水の使用量が33％削減されるという成果が確認されています（※2025年2月4日発表の第8年次報告による）。また、アルケマはSustainable Castor Associationの創設メンバーとして、責任あるトウゴマ栽培の基準となるSuCCESS（持続可能なトウゴマ栽培指針）の策定にも貢献しました。
トウゴマは、持続可能性の観点から非常に優れた作物です。食料作物と競合せず、森林伐採を引き起こさず、不当な労働が発生するリスクも低いとされています。
このトウゴマは、再生可能な原料として、アルケマの植物由来高機能材料であるRilsan® PA11やOleris® 高機能オレオ化学品の製造に使用されています。