アルケマとモロー社は、次世代高電圧電池用の新しい電解質配合製品 (フォーミュレーション) の開発、スクリーニングおよび試験に関する覚書に署名しました。 アルケマの超高純度リチウム電解質塩とモローのコバルトフリー高電圧スピネル (LNMO) を用いた大容量電池、このパートナーシップにより新世代電池の開発を加速させます。
モロー・バッテリー社は、正極活物質としてLNMO技術を採用した電池を世界で初めて商品化することを目指しています。 その優れた化学的性質のおかげで、同様の性能を持つバッテリーと比較してLNMOはコストと二酸化炭素排出量の大幅な削減を実現します。 さらに、正極と負極間で移動する正イオンを輸送する電解質の最適化により、この新世代電池の性能と競争力を大幅に向上させることができます。
私たちは、ヨーロッパの電池業界で最も革新的で野心的なスケールアップ企業の1つであるモロー・バッテリー社と提携できることを大変嬉しく思います。 私たちのコラボレーションは、LNMOに基づく最先端のバッテリー技術の商業化への道を開き、そこにアルケマの一部が加わることを楽しみにしています。
アルケマは昨年、フランス・リヨンのピエール・ベニット研究所内に電池用途の研究開発に特化した最先端施設を開設し、この分野への投資を加速しています。 アルケマは、世界最先端の産業プロセスの専門知識を採用し、バッテリーの電力、安定性、寿命の大幅向上に貢献できる高純度のForanext®リチウム塩を開発しました。
「アルケマは、溶剤、水性、乾式プロセス用のPVDFバインダーと、セル性能を向上させる超高純度リチウム塩の世界的な大手サプライヤーです。アルケマは、我が社の高電圧LNMO電池の性能をさらに最適化するための業界トップクラス企業のコンソーシアムにおける優れたパートナーです。現在、市場に流通する最先端の電解質配合製品でさえ、LNMOとグラファイトを含むバッテリーでは機能しません。アルケマは、LNMOの高い電圧で非常に安定して作動し、高イオン伝導率を達成する次世代の新しいリチウム塩を提供します。これにより大容量電池の性能が大幅に向上します」とモロー・バッテリー 最高技術責任者 Rahul Fotedarは述べます。
このパートナーシップでは、アルケマのKynar® CTO (マスバランスアプローチに従い、バイオ原料から得られた炭素を使用した再生可能なPVDFグレード) を、モローが製造する第一世代電池セルに使用することも検討しています。 更に、アルケマのKynar® PVDF水性バインダーを用いて水ベースのLNMO正極製造プロセスを開発することを次の目標としています。
アルケマとモローの共通の目標は、世界で最も費用対効果が高く持続可能な電池技術の一つを商品化することであり、この世界をリードする技術は現在のレベルと比較して電池セルのコストを大幅 (20％) に削減する可能性があります。